一昔前の春の天皇賞といえばそのときの最強馬が満を持して登場のイメージ。

現在のスピード競馬重視の影響で長距離を有力馬の回避が相次ぐなんてことはなかった。

まさに力と力のぶつかり合いで見応え、魅力ともに現在の比ではない。

そんな中でも特に個人的に印象に残ったレースをピックアップしてみたい。

第1位
◆1997/04/27 マヤノトップガン 田原成貴




※三強対決で盛り上がった。安定感のあるサクラローレルとマーベラスサンデーに対して脆さの目立ったマヤノトップガン。

折り合いに徹してズルズルと後方に下がり画面から消えたはずだったが、直線では鮮やかな直線一気を決めてライバル達を交わし去った。

これぞまさに田原マジックの真骨頂。

第2位
◆1996/04/21 サクラローレル 横山典弘




※阪神大賞典で3着馬を9馬身離すデッドヒートを繰り広げたブライアンとトップガン。
新旧スターのライバルとして伝説の始まりと思われたが、勝ったのは3番人気サクラローレル。

遅咲きの素質馬の覚醒に勢力図は一変。

第3位
◆1999/05/02 スペシャルウィーク 武豊




※菊花賞で苦杯を舐めさせられた武豊の意地と執念が前面に出たレース。
逃げたセイウンスカイを後ろから追い立てて徹底的に潰した。

終始プレッシャーを受けたセイウンはゴール前に力尽きてメジロブライトがこれを交わして2着。

★番外編

◆1995/04/23 ライスシャワー 的場均



※これまでミホノブルボンの3冠阻止、メジロマックイーンの天皇賞春3連覇阻止と典型的なヒールだったライスシャワー。

次走の宝塚記念でファンの声援を一身に受けたものの、淀で花咲き、淀で散る。

別の意味ではステージチャンプ蛯名のガッツポーズも有名(笑)
ここではお預けとなったが、後に天皇賞秋のバブルガムフェローで初勝利。 

◆2012/04/29 ビートブラック 石橋脩



※圧倒的1番人気のオルフェーヴルがまさかの凡走でこれをマークしていた有力各馬も仕掛けが遅れた。
後ろは関係なく自分のレースの徹したビートブラックがまんまと前残りで金星。

石橋脩はこれが嬉しいG1初勝利となった。

◆2004/05/02 イングランディーレ 横山典弘



※ネオユニヴァース、リンカーン、ザッツザプレンティなどの人気馬がお互いに牽制しあって動かないまま。
人気薄でノーマークだったイングランディーレがそのまま残って大波乱。

鞍上横山ノリの好判断もあった。

★伝説編

◆1996/03/09 ナリタブライアン 武豊




※ブライアントトップガンの新旧年度代表馬対決に盛り上がった阪神大賞典。
このときはまだ土曜開催の重賞レースだった。

Gallop臨時増刊の週刊100名馬シリーズでもこのレースが採用されている。
全100冊集めるとゴール前のシーンが現れる。

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